古いグラフィックボードをUEFI環境で起動できるようにする

マザーボードがレガシーBIOSからUEFIに切り替わって久しいですが当然現行グラフィックボードもそれに対応しています。しかし古い製品ではUEFIブートに対応しておらずCSMを利用して起動する必要があります。


この場合はFastBootなどの機能が使用できなくなったり場合によってはOSが正常に起動しないなど不具合が生じる可能性があります。

そのため旧資産を流用することが出来ず現行製品を購入するしか無いわけですがグラフィックボードのBIOS(VBIOS)をUEFIブートに対応させる方法があるらしく試してみることにしました。

なお必要なファイルがどこまで安全なのか確認していません。
またグラフィックボード及びPC環境に不具合が生じても一切責任を負いかねます。

今回はGeforceGTX660TiとGT640で試しました。

必要なもの
・Python開発環境
・GOP Updater
・NVFlash

<Python開発環境>

まずPython開発環境ですがまずこちらから実行ファイルをダウンロードし、インストールします。


インストールする際はウィザード画面の下のチェックボックスにチェックを入れておきます。

インストール後さらにモジュールを2つ追加する必要があるためコマンドプロンプトを管理者権限で起動し…

pip3 install colorama pltable

と入力し指示に従います。
このときプロンプト内でPythonを起動しないように注意が必要です。

これで開発環境が整いました。

<GOP Updater>

こちらより。
GOPUpd_v1.9.6.5.rar (5.36 MB)というリンクがあるのでそこからダウンロード及び解凍しておきます。

<NVFlash>

こちらより。ダウンロードののち解凍しておきます。
AMD(ATI)製グラフィックボードの場合はATIFlashというツールが必要のようです。

ということで必要なものが揃いましたので実際の手順を追ってみます。


まずGPU-Zを起動します。赤丸で囲った部分をクリックします。
ちなみに赤丸の横にUEFIという欄がありますが対応している場合はここにチェックが入ります。


Save to file...という項目が現れるのでクリックします。


いくつか警告メッセージが出ますがOKを選びファイルを保存します。



保存できました。これが現在グラフィックボード上で動いているBIOSファイルです。


保存したBIOSファイルをGOPUpd_v1.9.6.5.rarを解凍したフォルダの中へ移します。


BIOSファイルをフォルダ内のGOPupd.batへドラッグアンドドロップします。


ウインドウが立ち上がりますので指示通りyを入力して進みます。

なおPython環境が無いとこのバッチファイルが正しく起動しません。


アップデートするGPUのアーキテクチャを聞かれますが今回はGeforceGT640なのでGK107となり4を選びます。


書き込みが終わりました。

フォルダ内にxxx_updGOP.rom(xxxは元のファイル名)というBIOSファイルが作成されます。


作成されたファイルを今度はnvflashのフォルダへ移します。


管理者権限でコマンドプロンプトを立ち上げ、nvflashのフォルダへ移りnvflash64のコマンドを実行します。ここではnvflash64 GK107_updGOP.romとなります。


エラーメッセージが出てきますが先程のコマンドの先頭にドットとバックスラッシュを追記し再度実行します。


yを入力します。


これで完了しました。


GPU-Zを起動し確認します。先程はUEFIの欄にチェックは入っていませんでしたが無事書き換えできたようです。

このあとUEFIへ入りCSMを切ったUEFIオンリーの環境でブートしましたが起動できることを確認しました。

ということで古いグラフィックボードをUEFI環境で起動できるようにするでした。

昨今特に輸入モノであるPCパーツは高価ですし旧資産を流用したいという場面もあるかと思います。

しかし正直UEFIに対応していないほどの古いグラフィックボードを利用するというのはワットパフォーマンスや機能面などで見劣りする部分もあり実用的かは物によるかと思います。

それでも旧製品をなんとか使いたいということもあるかと思いますのでなにか動機があればとても有用なテクニックだと思います。

そしてなにより先人の努力に改めて感謝です。


以下のサイトを参考にさせていただきました。

うぇすとみあ さん

パソコンニキ さん

ふらっと 気の向くままに さん

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